ペルペルの「我思う故に我あり。」

日々、感じたこと綴っていきます^^

雨男(あめおとこ)①

雨は男を待っていた

雨はその男の企みに気づいていた

男は雨を好んでいた

全ての騒音を掻き消して雨音だけが響く

そんな状況が好きだったのだ


子供の頃からそうだった

雨の音だけが友だった

そう思い込んでいただけかもしれない

男は雨音に心を奪われていたのだ


いつしか男は雨の日だけ元気になった

周囲からは白い目で見られた

人と趣向が違うといつもそうだ

だから男は自ら孤立していった


たいがい周囲と馴染めないと嘆く

たいがい話が合わないと嘆く

男も分かち合う友がいないために

大いに苦しんでいた


孤立したのが意図的であったかなかったか

もうそんなことは思い出したくもない

男はそう思い込んで周囲に辛くあたったんだ



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