景色が灰色に見えるのは
天気のせいだけじゃないだろう
「雨はわりと好き。」と彼女は言った
「雨はわりと好きだ。」と彼女は笑った
日陰でも日向でも
その笑顔は眩しくて
時に誰かを傷つけたとしても変わらない
裕福ではあったけど「幸せ」じゃ無かった
笑顔ではあったけど
心の底から笑ったことは無かった
その家からは不思議なメロディが流れ
自然と人々が集まってきた
善人は多いけど数人の悪人もいた
人を傷つけるも喜ばせるも
心の持ちようだと彼女は言った
大きな木の下の木陰で
触れ合った心は優しく穏やかで
すべての生き物が幸せに思った
世の中は移り変わるけど
彼女の心は変わらない
彼女の心は変わらないと誰もが思った
景色が灰色に見えるのは
人それぞれ
「心にある風景を持っているからだ」と彼女は言った
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